時代は平成から令和と変わりましたが、年々増大する大規模自然災害に加え、2020年は新型コロナウィスルの感染拡大により社会は変容を迫られています。
近年、頻発する大規模災害や高齢社会など、地域は今、様々な課題を抱えています。
コロナ禍、さらに私たちを取り巻く社会は混乱の中にあります。
こうした社会課題の解決には自助・共助・公助の連携が必要です。
未曽有の危機の最中ですが、だからこそ大きな変革をもたらすことができる時でもあります。
自治体にはこれまでの施策のあり方の見直しも迫られます。
<見直しを迫られる、地域コミュニティ施策>
1.加入率低下、担い手不足に陥っている地縁団体の活動活性化、担い手育成
時代のニーズに合った団体運営、活動へシフトするための支援
2.令和時代にあるべき、共助コミュニティ、パートナーシップの問い直し
名目ではなく、実質的な共助の受け皿となり得ているか、コミュニティを再定義
3.防災や高齢者の見守りなど、役割を明確にした補助金のあり方の見直し
行政の下請け委託料ではなく、共助コミュニティ活性化への支援
先進事例 2年で会員倍増、奇跡の町会
加入率の低さや担い手不足に悩んでいた須賀町町会(新宿区)は2018年度より、新たな会長のもと様々な改革に取り組み、2年で会員や役員の数を倍増させました。
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衰退した地域コミュニティの活性化であれ、地域ブランドづくりであれ、地方創生の鍵を握るのは地域資源をいかに発掘し、活性化するかにかかっています。
<地域が直面する課題>
1.過疎化、高齢化した集落
2.地域コミュニティの衰退
3.東京一極集中と地方都市の衰退
4.中心市街地の空洞化、シャッター商店街
5.地場産業の衰退など
こうした課題の根底にあるのがまちづくりの担い手不足です。高齢化した集落にはそもそも若い人がおらず、祭などの伝統行事の存続、集落活動そのものも維持できなくなっています。こうした中で観光交流や関係人口、移住者の獲得しようとする動きも活発化しています。
しかし、多くの担い手を得て活性化している地域がある一方、思うように成果が出せない地域も少なくありません。
リモートワークの拡大により地域に現役世代が戻り、地方移住意欲も高まる今、新たな人や若い世代を地域に呼び込むには、その受け皿づくりが重要となります。
まちおこしや地域活性化に成功している地域には、幾つかの共通点があります。
まちづくりのコンセプト(誰にどんな価値を提供するか)、ブランド化に欠かせないのが、地域の魅力に共感してくれるターゲットの明確化、ニーズや価値観、そのライフスタイルにマッチしたまちづくりのデザインしていくことです。
また、どんなに素晴らしい価値や魅力があっても存在が知られていなければ、出会うことはありません。効果的なPR、ターゲットへの訴求には戦略が不可欠となります。
地域資源を生かしたまちづくり、地域コミュニティの再生など、地域活性化・まちづくりの企画コンサルティング、講演セミナー、調査研究、執筆活動を行っています。
いくつか参考になる先進事例を挙げてみましょう。
スラム化したまちが、人気の観光・居住地になったワケ
スラム化した街区を再生、人気の住宅地・観光地となった埼玉県入間市のジョンソンタウン。米軍ハウスの歴史・DNAを受け継ぎながらも、現代のニーズに合った住まいと街づくりを目指し、取り入れたのは「ここで何がしたいか」というコミュニティデザインの視点とそれを反映したデザイン・コード。
統一感のある街並みの中に「ゆるかやに流れる時間」や「ボーダレスでありながらプライベートな空間」を形成することで、「活気あるコミュニティのある街」を創りあげました。
ここに若いクリエイターやアーティストなどが多く移り住み、おしゃれな一軒家で子育てしながら、夢だった雑貨店やカフェを開く。職住近接型のライフスタイルを実現できる場所として住みたい人気の街、そこを訪れたいと人気観光地へ変貌していきました。
〔参考記事〕
日経スタイル連載コラム 本当に埼玉?入間ジョンソンタウンで米国スタイル満喫
Ⅴ字回復した熱海の軌跡、起点となったのはシャッター商店街
長い低迷から復活した熱海、その再生の起点の一つとなったのが、中心市街地の衰退した熱海銀座商店街での取り組みでした。
12年間シャッター通りとなっていた商店街の遊休不動産をリノベして新たな魅力を創出する手法で若者を呼び込むカフェ、まちづくりへの共感を呼び、資金を募るクラウドファンディングを活用したゲストハウスをオープンさせ、新たな熱海の魅力で話題を呼び、若者を呼び込みました。
〔参考記事〕
日経スタイル連載コラム リノベで街が復活 かわいくなった熱海を歩く
衰退した城下町の復活!女子の心をつかんだ三種の神器
衰退した城下町を復活させ、今や原宿や谷中のようなまち歩き観光の人気スポットとなった愛知県犬山市。きっかけは一人の人が気づき、思いつき、はじめた取り組みからでした。それが女性の共感を呼び、インスタ映えなどの口コミを通じ拡散、地域に変化を生みました。
〔参考記事〕
マイナビニュース連載コラム 10年連続入場者数増! インスタ映えが若者を呼んだ犬山の魅力
日経スタイル連載コラム 寂れた城下町が復活 若者が集う犬山・街おこし秘話
上記のほか、地域資源を活かしたまちおこしや地域活性化、地方創生戦略に役立つ先進地域の取り組みを紹介しています。
2017/8/19 日経ビジネスWEB連載
※地域資源活用の事例レポートはこちら、インバウンドはこちらのページをご覧ください。