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2008.3 水津陽子
2007年、北欧デンマーク取材で、まちづくりやものづくりにおける色づかいを見て、色の力というものを改めて感じました。ブランドの中でも重視されるコンセプトやデザイン性。その中で、今後、色というものが大きなポイントになるのではないかと感じます。
今回は、色とイメージの側から、人、もの、家、町づくりの提案するカラーコーディネートとして、数多くのプロジェクトに関わこられた滝沢真美さんにお話をお聞きしました。
滝沢真美さん (株)日本カラーデザイン研究所
日本女子大学および、名古屋大学非常勤講師
新潟県出身。日本女子大学家政学部被服学科卒業後、(株)日本カラーデザイン研究所入社。現在開発部プロジェクトリーダーとして活躍中。
資格:インテリアコーディネーター,東商カラーコーディネーター1級(環境色彩),東商福祉住環境コーディネーター
著書
色感素養 -カラー&イメージトレーニング100のポイント(共著)
ダヴィッド社刊
水津
滝沢さんにはじめてお会いしたのは、CATV番組の取材でしたが、調べたら2002年でした。なんと、六年ぶり!(笑)滝沢さんのお仕事は、色彩心理学に基づいて、人が色に対して抱く「共通感覚」を色と言葉で結びつけたカラースケールをもとに、商品パッケージからファッション、住宅、さらには発電所などの色彩設計をするというもので、その時も、色についていろいろ教えて頂きました。六年経って、色の世界は、何か変わったことはありますか?
以前、取材させて頂いた時、高層マンションの外壁の色と周りの景観との調和というか、単に建物の色がどうかではなく、景観面から見た色彩設計のお話をお聞きしましたが、最近は、どんなお仕事をされているんですか?




LWAC 仕事の現場インタビュー、写真は滝沢さんが手がけられたツインタワー
滝沢
最近、つくば研究学園に新たなまちを創るプロジェクト「パークハウスつくば研究学園」などに携わりました。ここでのコンセプトは、「つくばスタイル」と位置づけられ、「都市」「自然」「知」を背景に、生活のON/OFFを巧みに切り替えながら、自分らしい生き方を楽しむライフコンセプトでした。
水津
このホームページの中の「ものづくりへの想い」の中で、「ランドマークには、色の責任があります」という滝沢のさんのインタビューを拝見しました。「建物の色には理由が必要」。そして、その色の決定には、理論が必要だと。これは、六年前、インタビューさせて頂きましたが、色って感覚に思いがちだけど、滝沢さんのお仕事は実はロジックの積み重ねだと。
滝沢
そこから、「モダンでクール」なイメージと、「やわらかいナチュラル」なイメージがくっきりと浮かびあがってきました。一方、都市ならでは「ダイナミックでカジュアル」なイメージは、現状のつくばには弱いことも分かりました。
都市のイメージが弱いなら、赤レンガを使って活気やアカデミックな印象を出したらどうかという案も出てくるのですが、そうするとクラシックさや重厚感が強くなってしまって、研究学園の先進性から外れてしまう。。。
最終的に広い空に映えるホワイトを基調に、ナチュラルなブラウンとアクセントのグレーを配したカラーデザインとなりました。
水津
「理由のある色は、土地になじむ」というのが滝沢さんの考え方にありますよね。実は、今回、対談の最初に「色」というテーマが来たのは、なんか偶然とは言い難いところがあって、今年に入って地方のまちづくり、中心市街地活性化や都市再生に取り組んでいる富山や神戸を取材したのですが、その時に一番感じたのが、もっと色を上手く使ったらいいのになーということだったんです。
特に、富山では、コンパクトシティやライトレールの取り組みが全国から注目されていて、実際そこはうまくやれていると思うのですが、ただ、このまちでどういうライフスタイルが実現できるのかをイメージすることが難しかった。一言でいうなら、まちのコンセプトが見えなかった。



富山市、整備された賑わい拠点と中心市街地周辺
滝沢
つくばなどもそうですが、何もないところに新たな街を創る場合は結構、どういう街にするか難しいんですね。京都など歴史があって、ひとつのイメージが出来上がっていると、作りやすいのですが。
水津
その時、一つ思ったのが、気候風土というものもあると思ったんですね。ドイツの「クリマアトラス(都市環境気候図)」という手法などもありますが、たとえば、まちづくりを考えるときに、その「地域性」とか「土地柄」、そのまちならではの空気や、景観や文化・歴史は、その気候風土に由来する部分って大きいのではないかと思うんですよ。
どうして、あの立山連峰を活かしたまちづくりをしなかったんだろう。ああ、もったいないと思った。しかも、整備された賑わい拠点を見ると、日本海側の冬の鉛色の空と同じグレーなんですね。それはもったいないなーと思ったんです。
滝沢
たとえば、水津さんの出身地の島根だと、石州瓦というのがあって、その色は島根の風土にとても合っています。初めて、津和野に行ったとき、暖かい光の中で、オレンジ色の瓦がきらきら輝いて、それはとてもきれいでした。半年雪の銀世界で育った私には、とても新鮮な感動でした。



石見銀山(左右)・小布施(中)など、伝統的建造物群保存地区の街並み
日本の場合、北海道と沖縄といえば大きく風土環境は違いますが、通常自然環境色だけを見ていても、あまり大きな違いはありません。むしろ、私たちが、建物と地域の景観の中での色彩設計を考える場合、手がかりとするのが、その土地の文化・歴史です。たとえば、その土地の特産物の色であったり、サインや看板、バスや電車などの公共交通など、社会環境や歴史の中から生まれてきた色なども参考になります。
前段で出てきた、つくばの例でもお話したように、事業のコンセプトやその地域が想起される言葉を色に置き換えていきますが、そういう地域ならではの素材を活用するということもあると思います。
水津
よく言われることですが、国内でも、似合う色を寒色(青系)と暖色(黄系)に分けると、北海道・東北など、関東から北は寒色、西は暖色が光の加減で、美しく見えるといいます。たとえば、ヨーロッパと日本では緯度の関係で、似合う色が違うというのは一般の方でもよく知っていることだと思いますが、昨年、私はデンマークに行ったのですが、彼らは本当に色を上手く使っていました。
滝沢
北欧は冬になると一日の大半が夜だったりしますよね。彼らって、明かりの使い方なんかもすごく上手なんですよ。そういう気候風土の中で、どうやって快適に過ごすのか。そういう必要性の中で工夫されてきたからだと思うんですが。
水津
先日神戸に行ったときも感じたのですが、神戸ってあれだけのネームバリューを持ちながら、それを今一つうまく生かしきれていない気がするんです。神戸こそ、もっと色をそのプランディングに活かしたらいいんじゃないのって思ったんですね。



滝沢
実は、今度「景観色彩計画法」という本を出版する予定なんですが、この本なんかは、みなさんの参考になるかもしれません。景観色彩の基本的な考え方や環境色調査の分析法、地域風土をいかす環境色彩・景観色彩計画のための手法、目的別の色彩計画フローなどです。実習を交えながら習得するものになっています。
水津
セミナーのカリキュラムを拝見すると、中に、「魅力的な色の方言の発見法」や「地域の未来を創造する色彩計画法」などがありますね。セミナーそのものは、非常に専門的なものなのかと思いますが、入口部分については、地域の方にもっとこういうことを知ってもらい、考えて頂く機会を持つことは必要かなと感じます。
滝沢さんは、新潟県出身。「実家は着物を作る会社をしていまして、祖父も父もずっと着物のデザインをやっていたんですね。それで、小さい頃から、そういう呉服の色や商品を見て育ったので、ごく普通に「色」についての興味がありましたね」と以前のインタビューでも話されていました。
そのご実家の家業については、このままでは、自分の代で途絶えてしまうので、なんとかしなくてはならないのだけど。会社で仕事をしながらでも、何かできることはないか考えていますとおっしゃっていました。ちなみに、こちらがお母様。
和の生活マガジン「SAKURA」
特集:刺し子の家の物語
実際、雑誌で拝見すると、その技術の高さはもちろん、その美しさに目が釘付けになります。
日本の中では、今、こうした貴重な技術、伝統文化が後継者がないまま、次々、消えていっています。こうしたものを活かして、残していく。そのしくみを是非、ロハスビジネスとして、提案していきたいと思います。
対談場所
今回、対談で使わせてもらったお店は、千駄木駅前、しのばず通り沿いにある古本カフェ「ブーサンゴ」さんです。しばらく前から、一度入ってみたいと思っていましたが、今回、お邪魔させて頂きました。
・賑わい創出のまちづくり「にぎわいづくり研究室」の設置しました。
・「まちづくりの教科書No.1 中心市街地・商店街活性化編」発行しました。
起業、新規事業の立ち上げ、経営革新、地域活性化やまちづくりにおいて、企画書や事業計画書は、事業を成功に導く「成功方程式」を記した「戦略図」であり、「ロードマップ」。トレンドやニーズの分析、アイデア発想法、企画、戦略、ビジネス構築術、創業計画、新規事業の立ち上げ、経営革新計画、まちづくりプラン作成のアイデア・ヒント。
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