地域ブランド戦略、観光まちづくり、協働、地域活性化コンサルタント・講演セミナー

ホーム > コラム・レポート > 顧客満足と差別化コラム

地域振興・まちづくり

講演セミナー・研修

地域・経営リポート

CSR まちづくり事業

ライセンシング

代表プロフィール

行政書士・FP事務所

代表 水津陽子

 

地域再生コンサルタント・行政書士 水津陽子
こんにちは、水津陽子です。

 

日経ウーマン起業塾

起業したい読者をカウンセリング

 

起業したい読者を誌上カウンセリングする水津陽子

日経ウーマン誌上で、読者に起業のアドバイス。

>>日経ウーマン

 

 

著書・DVD

ロハスビジネス (朝日新書) 「ロハスビジネス」(朝日新書)

 

地域資源を生かした地域ブランド、観光まちづくりの事例、ビジネスの組み立て方を紹介。

>>著書・DVD

 

 

まちづくりNPO活動

1999年、まちづくりNPOを設立。

ライフ・ワーク&コミュニティ

NPO法人LWAC NPO法人LWAC

こどものえき

こどものえき事業

 

ツイッター

新ルートで、ロシア貿易に新たなチャンス!(後編) 最短26日で巨大市場へ

2011.7.25 フジサンケイビジネスアイ「inovations-i」コラム寄稿

 

 

5月25日、今回の東日本大震災に対し、ロシアからミネラル・ウォーター3万本(50t)が、被災地に送られた。と聞いても、特別なニュースにも感じないが、ロシアがこの救援物資を横浜でも神戸でもなく、島根県西部の小さなまち、浜田に送ることにこだわったと聞いたらどうだろう。


ロシア・ウラジオストック港と直接結ぶ、国内初の貨物輸送航路を持ち、今年はじめには、そこからシベリア鉄道を経由し、首都モスクワ、ロシア第二の都市サンクトペテルブルグへ、最短26日で入るルートを拓いた「浜田港」。その道筋を作ったのが、浜田港に拠点を持ち、ロシアとの太いパイプを持つ、中小企業、株式会社エル・アイ・ビー(LIB)だ。前編に続き、お送りしたい。

 

浜田港(浜田港振興会提供)浜田港(浜田港振興会提供)

写真提供:浜田港振興会 


対ロシア貿易には、日本海側で大きな港を持つ自治体は、目の色を変えて取り組んでいる。秋田、境港、北九州、どこも戦略的な予算と専門人員を配し、行政の強いリーダーシップが見える。しかし、浜田においてロシア貿易を主導し、道筋を作ってきたのは、自らリスクを取り、挑戦する中小企業LIBだった。


LIBはウラジオストックと周辺地域を含め120万人の極東ロシアで、強い信頼関係を築いてきた。その信頼が、送るなら浜田のロシアのこだわりにつながった。その信頼の基盤は、今、LIBのヨーロッパロシア進出への大きな力になっている。首都モスクワ1000万人、サンクトペテルブルグ450万人という巨大ヨーロッパロシア市場へ、LIBの挑戦がはじまっている。

 

巨大ヨーロッパロシア市場で成功するための条件とは?

LIB高橋克弘社長にお話をお伺いする中で、ロシアリスクについて訊ねてみた。ロシアビジネスは魅力的ではあるが、日本人からすると、ロシアは何を考えているのか、今一つよくわからないイメージがある。

 

LIB高橋社長LIB本社

これに対し、高橋社長はヨーロッパロシアと極東ロシアの気質の違いについて教えてくれた。ロシアと一口にいっても、ウラル山脈の西と東で、ロシア人の気質はかなり違う。ヨーロッパロシアは狩猟民。ウラジオストックなどの極東ロシアは農耕民。彼らは東洋的で、日本人に近いという。


現在、LIBはウラジオストックに事務所を持ち、島根県がウラジオストックに開設した「しまねビジネスサポートセンター」の業務も受託している。ロシアにおける初の日本の子ども用品店のオープン、建材や瓦、室内ドアのアンテナショップ開設のプロデュースも行っている。ロシア貿易に関しては、今や船舶荷役、保税蔵置場管理、通関業を一括して行うまでになっている。

 

そんな中、取引先のロシア企業が、サンクトペテルブルグに拠点を構える。それがLIBのヨーロッパロシア進出の足掛かりとなる。平成22年6月、LIBはサンクトペテルブルグへ「石州瓦」3万枚を初輸出する。9月にはロシア国内屈指の国際見本市「第14回バルチック建設週間」に日本建材では唯一のブースを出展。地震や寒さに強い「石州瓦」、建材などをアピールした。


ロシアの富裕層には、他人とは違う屋根材を使いたいという欲求があるという。「石州瓦(せきしゅうかわら)」は島根県西部の石見地方で焼かれている瓦で、焼成温度が1200度と高く、固くて丈夫、寒さに強いとされている。また、その赤銅色は独特で美しい。 サンクトペテルブルグには、ドイツやフランスなど欧州から、大量の生鮮品、日用品が入り込んでいる。決して、生易しい市場ではない。しかし、極東ロシアで受け入れられた実績は、ヨーロッパロシアでも有効な宣伝材料になる。

 

新ルートで最短26日、ロシア1500万人の巨大市場へ

ロシア最短ルート

LIBのもう一つ強みは、今回のヨーロッパロシアへの新たな輸送ルートの確立にある。従来の韓国・釜山港、スエズ運河を経由してヨーロッパロシアに入る海上ルートでは、41~42日の輸送日数がかかった。それが新ルートでは、最大4割(19日)短縮、最短26日で到達することが実証された。


ロシア市場進出では、秋田県がシーアンドレール構想を掲げ、同様の実験を試みたが、秋田港と極東ロシアを結ぶ航路がないため、頓挫している。浜田の新ルートはコスト面でも、TEU(20フィートコンテナ)一個につき44万円。従来ルート43万円とほとんど変わらない。高いコストパフォーマンスを見せている。

 

ジャパンブランド崩壊、これからは被爆国商品を納得して買ってもらう

LIBがロシアビジネスに取り組む中では、2008年のリーマンショック、2009年のロシア政府による外国自動車の輸入関税の引き上げなど、厳しい局面がいくつかあった。そこへ、今回の震災、原発事故だ。日本からの輸出品には厳しい生産地規制がかかっている。


国際基準は年間1ミリシーベルト。出荷時に放射能の測定する手間と証明コストは大変なものだ。測定方法によって、微妙に数値が異なるため、出荷地で基準をクリアして出荷したものの、現地の測定で基準を上回り、受け取りを拒否される例もあるという。


高橋社長は、「これまで日本はジャパンブランドにあぐらをかいて、ただオファーに応えてきただけ。だから韓国に負ける。今回のことで、安心安全のジャパンブランドは崩壊した。これからは被爆国の商品を、一から説明して、納得して買ってもらう。そういう地道な取り組みをしていかなくてはならない」といわれた。


震災からの復興、日本再生は、企業がこうした気概を持ち、世界を市場とすることで、はじめて実現されるのではないだろうか。チャンスは目の前にある。それに果敢に挑み、精一杯、戦ってほしい。


LIBの歴史

平成9年

(1997年)

浜田商工会議所に「海外取引研究会」発足。
株式会社チューブ、中古車輸出事業部門創設。(平成18年LIBへ営業譲渡)
浜田港に貨客船初入港。中古車80台を輸出。

平成10年

11月 研究会メンバーにより、コンテナ30TEUの荷を浜田港に入港させる。

平成12年

中古車輸出5000台(7億5千万円)

平成13年

平成13年 中古車売上5,000台(7億5千万円)を達成。

平成17年

チューブの中古車輸出額 年間約57億円(輸出の94%)

平成18年

(2006年)

7月 株式会社エル・アイ・ビー設立。
9月 株式会社チューブより事業者輸出部門営業譲渡。
12月 建材(「北陽アルミ」室内用ドア)を輸出。

平成19年

(2007年)

5月 ウラジオストック経済ミッション(商談会)
6月 野菜、果物輸出(益田メロン、鳥取スイカほか、10品目3t)
ウラジオストックのスーパー等で販売。品質高い日本製品人気。
12月 建材(「森崎窯業」石州瓦)をウラジオストックへ輸出。
平成20年3月期 中古車輸出台数 22,083台(127億円)

平成20年

(2008年)

3月 船舶荷役業務開始
5月 取引先ロシア・アルゴス社がロシア初の日本の子供用品店「ベビーグッズ」開設。
7月 ロシア・ウラジオストック港へ国内初の「RORO船航路」就航(月2便)
RORO船(9489トン)初入港。中古車350台、石州瓦、野菜果物、自動車部品輸出。

平成21年

(2009年)

8月 浜田港で保税蔵置場許可取得、保税蔵置場管理業務開始。
通関業許可取得、通関業務開始
10月16日 島根県「しまねビジネスサポートセンター」開設。
島根県より、ロシアでの業務をLIBウラジオストック事務所が受託
11月 ウラジオストックに食品、建材、木製ドアのアンテナショップ開設。
平成22年3月期 中古車輸出台数2,868台(15億円)

平成22年

(2010年)

6月 ヨーロッパロシア・サンクトペテルブルグへ「石州瓦」を初輸出。
(8月 国の重点港湾43港の一つに、全国重要港湾103の中から選定)
9月 サンクトペテルブルグ第14回国際見本市・バルチック建設週間」に出展。

平成23年

(2011年)

1月 米(JAいわみ中央)をウラジオストックへ輸出。
1~3月 浜田港におけるシベリア鉄道等を利用したトライアル輸送。

浜田港振興会 
浜田港は、国の重点港湾。国際物流、特に対ロシア貿易の戦略拠点として、注目されはじめています。浜田港の振興については、島根県、浜田市と民間企業が出資し、平成6年に「浜田港振興会」を設立しています。 

 

 

参考リンク

恋するまち・商店街~地域活性化・まちづくりコンサルタントの全国漫遊記

http://machitabi.blog89.fc2.com/

恋するまち・商店街ブログ

 

バックナンバー

コラム「地域発!こだわり企業が全国区になる 顧客満足と差別化のポイント(全10回)」は、2011年6~8月、フジサンケイビジネスアイ「イノベーションズアイ」に寄稿したものです。

 

日本の温泉旅館ホテル250選初選出!長良川温泉「十八桜」のホスピタリティ
ビジネスホテルにみる「一人勝ち戦略」差別化と戦略のメリハリ
海の安全・安心!鮮魚加工で新鮮さ、安全、おいしさ見える化
地域ブランド、六次産業ビジネスモデル!健康食品「酢」の熾烈な戦い
不況知らずの店、その人気の秘密を探れ!ベーカリーレストランBAQET
バブルの負の遺産が年間300万人を呼ぶ!高知「ひろめ市場」の秘密
新ルートでロシア貿易に新たなチャンス!(前) 建材、食品、一箱から
新ルートでロシア貿易に新たなチャンス!(後) 巨大市場ヘ最短ルート
3.11震災後の人気観光スポット見る、顧客満足と盛衰の分かれ道
ディズニー・リゾート in ハワイ 究極の会員制「タイムシェアビジネス」

 

メルマガ

まぐまぐの配信システムにて配信しています。購読は無料です。

メルマガ購読・解除 ID: 288752
事業成功の方程式~事業計画の書き方、作り方
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ

事業計画書は起業・ビジネス成功の「事業成功の方程式」。創業・経営革新、起業家、経営者に必要なビジネス構築術を受講者満足度80%超の人気講師が極意を伝授。女性起業、社会起業家、コミュニティビジネス、地域産業活性化、地域観光ブランド化、地域コーディネーターを支援します。

 

お問合わせ

合同会社フォーティR&C
113-0022 東京都文京区千駄木4-2-22-201
TEL(03)5834-1647 FAX(03)5834-1648

お問合わせフォーム