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2011.8.8 フジサンケイビジネスアイ「inovations-i」コラム寄稿
世界で広がりを見せる「タイムシェアビジネス」。日本では、不動産の権利を伴わない会員制リゾートが一般的だが、海外では、不動産を複数の所有者で利用するタイムシェア「バケーション・オーナーシップ」市場が拡大している。
ディズニーが展開する「ディズニー・バケーション・クラブ」も、そんなタイムシェアビジネスの一つだ。タイムシェアは一般的に、1年を1ウィーク、52週のユニットに分け、不動産を所有するシステムで、年間に与えられるポイントを使い、施設を利用する。
来月ハワイにオープンする「アウラニ」は、11番目のディズニー・リゾート。販売価格は19,200ドル、日本円にして現在のレートで約160万円。毎年付与されるポイントで、世界にある11箇所のディズニー・リゾートに50年間タダで泊まれる。
アウラニのモデルルームが見られる、舞浜のショールームには、小さな子どもを連れた30代のカップルの姿が多く見られた。
写真:「ホテルミラコスタ」in東京ディズニーシー
ハワイにできる「アウラニ」は、昨年売りに出された。すでに4割の成約を得ているという。ハワイのリゾート建設は、ディズニーのドル箱である日本の消費者を強く意識したものと思われる。円高の追い風もあり、早ければ、来年中にも売り切れる可能性もある。
言ってみれば、軽自動車を買うほどの値段で、50年間、世界11箇所のディズニー・リゾートはもちろん、提携する世界500箇所の高級ホテルにタダで泊まれる権利。使用する部屋は全てスイートクラス。ポイントの対象はルームチャージで、スタンダードタイプの部屋でも、4人が利用できる。家族で旅行するには、実にお得だ。
ディズニー・リゾートの場合、一般客棟とオーナー棟では、部屋やロケーションのグレードも異なる。ハワイでは、オーシャンビューは全てオーナー棟。通常、一般客は泊まることができない。
不動産所有権の登記もされ、相続や譲渡もできる。年間ポイントは繰り越しに加え、前借りもできる。使いきれないポイントを繰り越し、部屋のアップグレードや利用日数を増やすこともできる。ポイント使用者に制限がないため、家族以外の使用もできる。自由度も高い。海外に行けない場合には、東京の施設でも使用できるため、ポイントが消化しきれないということもほとんどない。
19,200ドルのミニマムプランの場合、年間160ポイントが付与され、ハワイのスタンダードタイプの客室であれば、約1週間家族で滞在できる権利を得られる。一年ポイントを繰り越し、倍の320ポイントにすれば、よりグレードの高い客室にアップグレードすることもできる。
写真:ハワイ「アウラニ」のモデルルーム(東京・舞浜のショールームにて)
タイムシェアという新たなビジネスモデルは、旅行と不動産を組み合わせた複合型のビジネスモデルである。ディズニーの場合、権利はフルで50年ある。ハワイの「アウラニ」の場合は、2011年8月オープンし、権利は2062年までの50年間となる。権利年数は毎年償却される。
2062年というと、そこまで生きていないと思う人もいると思うが、権利は「不動産所有権」としてハワイで登記される。これは単なる施設利用権ではなく、不動産資産で、残る年数の権利は子どもや孫などに相続させることもできるし、不要になれば中古市場に出して、リセールもできる。
「アウラニ」のオーナー棟の客室には、キッチンが備えられている。写真は、5名まで利用できる広めの客室のものだが、このタイプには本格的なシステムキッチンが備えられ、自宅にいるのと変わらない調理も可能だ。レストランに行かず、ここで自炊することもできる。
家族四人で一週間滞在する場合、毎食レストランを利用していては、滞在コストは膨れ上がる。キッチン横には、食事専用のテーブルや椅子も備えられている。ハワイに旅行に来たというより、ハワイで生活する感覚で過ごすことができるスペースとなっている。
ハワイにランドはないが、目の前はプライベートビーチ、アクティビティも充実している。また、他にない楽しみとして、ミッキーなどのキャラクターは、ここではキャストではなく、旅人として登場する。園内を歩いていると、旅するミッキーやミニーと出会うかもしれない。そんな楽しみもウリの一つとなっている。
先に権利を販売し、予め開発資金を確保するビジネスモデルは、開発業者のメリットも大きい。販売と同時に、今後50年間、確実な施設利用が見込める。権利の対象はあくまでルームチャージで、レストランやアクティビティなどの利用は別料金となる。
尚、購入価格のほかに、不動産所有権ということで、固定資産税や施設修繕費などで、毎年158ドル(現在のレートで約56,000円)の年間管理費が必要となる。維持管理費を得ることで、一定のサイクルで、施設のリニューアルが必要な宿泊業のリスクを軽減するモデルともなる。
震災後4ヵ月、東北復興への道筋は未だ霧の中。日々、苛立ちを覚える。このストレスをどこにぶつければいいのかと思うが、愚痴を言っても何も変わらない。どうすれば、東北を復興し、日本の力を再生できるのか。 わかっているのは、国内市場に頼っていては、日本の未来はないということだ。そのためには、海外の市場にもっと積極的に出て行くことも必要だが、もっと海外からの投資や来訪者を呼び込む必要がある。
この国で、特に弱いと感じるのが「投資」という考え方だ。金がないから国債を発行するというバカの一つ覚えで、今や、消費税収入10兆円は、国債の金利支払いに消えている。そのことを何パーセントの国民が認識しているだろうか。復興財源が増税と赤字国債頼みという無能なパッケージには暗澹とする。
そういう意味で、今回取り上げたタイムシェアのビジネスモデルというのは、東北復興手法の一つのヒントになるのではないだろうか。もちろん、このビジネスモデルは、誰にでも簡単にできるものではない。しかし、牡蠣養殖のオーナー制は、第一次募集一口1万円、1万6千人、2万1千口を集めた。こうした応援ファンド的な手法は、もっと活用されていい。
東北復興の課題としては、外からの投資と漁業権などの既得権益の問題が一つのネックになるが、外からの投資や開発がないままだとすると、東北復興の国民負担は、いずれ日本全体の力を衰退させることにも繋がりかねない。日本再生には、未来を見据えた適切な投資と開発が必要であり、それは他の地域、企業にも共通する課題である。
参考リンク
恋するまち・商店街~地域活性化・まちづくりコンサルタントの全国漫遊記
http://machitabi.blog89.fc2.com/

コラム「地域発!こだわり企業が全国区になる 顧客満足と差別化のポイント(全10回)」は、2011年6~8月、フジサンケイビジネスアイ「イノベーションズアイ」に寄稿したものです。
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建材、食品、一箱から
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巨大市場ヘ最短ルート
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○ディズニー・リゾート in ハワイ 究極の会員制「タイムシェアビジネス」
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