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2008年2月15、16日、神戸に行く機会があり、都市再生の観点から神戸を見てきました。阪神大震災後、まちの復興はどう行われてきたのか。神戸市は、人口150万人の政令指定都市。神戸の例から、都市再生のビジョンや戦略、大型商業施設など再開発事業のあり方を考えてみたいと思います。

≪目次≫
1.都市再生事業とは
2.神戸復興のまちづくり
3.ハーバーランド、大型商業施設群
4.神戸ブランドとは何か
5.新長田再開発に見る、都市再生の課題
6.新開地地区の都市再生事業
7.「新関西経済圏」広域連携への視点
関連リポート「中小企業の知的生産革命」(in兵庫県中小企業家同友会講演リポート)
中心市街地活性化事業リポート(1)富山市編
都市再生事業とは
国が進める都市再生の取り組みは、法律(平成14年施行)に基づいています。これに取り組むため「都市再生本部」を設置し、事業の推進を行っています。国の都市再生の重点は、環境、防災、国際化等におかれています。

神戸では、全国都市再生モデル調査(平成15年度)を受けた「新開地地区」のほか、いくつかの都市再生事業に取り組んでいます。都市再生については、国交省の「まちづくり交付金」などの事業もリンクしているところです。
都市計画等、地域振興については、これを個別の事業としてはではなく、一体として行うことが必要なのですが、これについては、最後の項で、取り上げたいと思います。
神戸復興のまちづくり
今回、神戸にお邪魔したのは、兵庫県中小企業家同友会さんのお招きで、ホテルは同友会がある「神戸駅」前のホテルオークラ神戸をご用意頂きました。講演翌日の土曜日、そこから神戸ハーバーランド、大規模商業施設「モザイク」などの大規模商業地エリアから、新長田を経由して、新開地地区、空港へのポートライナーのアクセス拠点「三宮駅」、そして、空港に戻るコースで神戸を歩いてみました。

○神戸ハーバーランド MAP
○神戸モザイク(大型商業施設)
○新長田 (神戸ながたティ・エム・オー)
○新開地地区 (新開地まちづくりNPO)
○三宮 (神戸市) (阪急電鉄)
○神戸空港
>>>出張ミシュラン神戸編はこちら
ハーバーランド、大型商業施設群
神戸駅前に広がる大型商業施設群を一通り歩いてみました。
  
神戸に飛行機で入ってくると、ポートライナーで三宮駅に着きます。神戸でもっともにぎやかなのが、この三宮駅周辺であり、商業施設も大規模なものから、商店街、地下街とバラエティに富んでいて、とにかく人も多いです。神戸市役所も近く、商業施設には人があふれています。
神戸駅周辺は、神戸のシンボル「神戸ポートタワー」がある神戸ハーバーランドがあります。中には、神戸阪急百貨店、キャナルガーデン、モザイクをはじめ、様々な商業施設群はあるものの、人の数はまばらです。最近、このエリアには中国など外国人観光客の姿が目につくそうで、ちょうど私が歩いている時もその一団と遭遇しました。
ハーバーランドエリアがどんなターゲットを想定しているのかは今回の取材の中では確認していないのですが、ここはやはり「内側の人」ではなく「外からの人」、「日常」より「やや非日常」の場なのではないかと感じます。
神戸ブランドとは何か
そういう意味で、二つの残念な点がありました。一つが、右上の写真の「モザイク」という商業施設は、テーマパーク的なつくりにはなっていますが、「ストーリー性」が見えてこなかったこと。もう一つが、「神戸」という圧倒的なブランドを生かし切れていないことでした。
 
具体的にいえば、「神戸」を象徴するもの。一言で言うなら、私の中では「神戸ブルー」ともいうべき、神戸の海の青。たとえば、「地中海」というと、みんな紺碧の海を思い描き、その紺碧の海に張り付いたような海の街を思い描きますが、神戸をハーバーランド側から見ると、その美しさは、日本の他の地域にはない独特の美しさがあります。
神戸に来たら、この景色を見る。この飲み物を飲む。この店の○○は必ず食べる・・・。神戸なら、そういうものをきちんと作って、それを求めてここに人が集まってくるしかけができるばす。
モザイクも、もっとこの「神戸ブルー」や異人館などの数多くの洋館や南京町など、日本屈指の和洋折衷文化で「エキゾチック」なまちという魅力を取り込むことができればよかったのにと思いました。
ちなみに、「神戸ブルー」は「ジャパンブルー(サッカー日本代表のユニフォーム)」やオリックス神戸などのブルーとも通じるところがありますし、内海である「瀬戸内海」の温暖な気候が作り出す「スカイブルー」ともいえます。「エキゾチック」は、郷ひろみさんの唄、2億4千万の瞳にも「エキゾチック・ジャパン」って歌われています。日本は、島国だからこそ、他の国にはない独特なエキゾチックなカルチャーも有しています。それを上手く活かせるといいと思うのです。
また、神戸は、そもそも平清盛が1180年この神戸に福原京を遷都し、国際港、国際都市の基礎を作ったところだそうです。 参考サイト:清盛と福原京「雪の御所」

Lohasbusiness.jp ロハスビジネス対談
カラーコーディネーター 滝沢真美×水津陽子
まちづくりの色の使い方、活かし方 >>>対談を見る
新長田再開発にみる、都市再生の課題
ハーバーランドを回り、神戸市が運営する地下鉄海岸線)で、新長田に向かいます。土曜のせいか、車内はがらがらです。通勤電車なのでしょうか。それとも神戸の大江戸線か?新長田駅の隣の駅が長田駅です。まちは再開発にかかっていました。小さな商店の軒先には、新たにできる商業施設へ移転する張り紙のある店舗も目立ちます。
  
震災からの復興を急ぐことと、新たなまちを造り直しいく作業「インハビテーション(住み直し)」をどう相反しないようにやっていけるかは、結構難しい問題だと思います。現実直面する権利関係の問題もあります。
しかし、新しくなった再開発事業の商業施設などをみると、新たしくてきれいだけど、それだけに冷たい印象を受けます。どうして、こんなアルミのゲートやどこにでもある商業施設のデザインにしたのか。神戸らしさはもちろん、神戸の震災の歴史を刻み、それを共有できるものがそこにあるともっと人々の心に寄り添った場所になれるのではないか。外の人間の勝手な感想ですが、そんな思いがしました。
それにしても、不動産屋の店頭で、この地区の家賃を見て、あまりの安さにのけぞってしまいました。東京の半分・・・くらい?もっと再生計画の過程で、付加価値的なまちづくりの提案などは検討されなかったのだろうか。難しい問題もあるが、いわば0から作り直すときに、都市として、どんなまちの姿を思い描くのか、考えることはできなかったのだろうかと、日本におけるシティプランニングの在り方について考えてしまいました。
新開地地区の都市再生事業
今回どうして、都市再生の取り組みの中から、神戸新開地地区を選んだかというと、国の全国都市再生モデル調査(平成15年度)で、神戸新開地地区の活性化事業推進計画 「まちのゲートとなる核施設づくり」を受け、webで見ると、非常に活性化しているように見えました。
特定非営利活動法人 新開地まちづくりNPO
まちのポータルサイト「新開地ファン」
新開地のことはそれまで知らなかったので、ぜひ一度見てみたいと思いました。
あいにく上記団体の取材はできなかったのですが、新開地エリアを一通り歩いてみることにしました。新長田から、湊川公園駅で降ります。
  
私が神戸で感動したことの一つに「ホスピタリティ」があります。駅員さんはみんな親切で優しく対応してくれたのですが、湊川公園駅でも、新開地のことを聞くととてもフレンドーに教えてくれます。また、駅を出てキョロキョロしていたら、おじさんが同じ方角だから、と一緒に歩いてくれて、いろいろな話を聞かせてくれました。
この湊川公園には震災の時、人があふれていて、大変だったそうです。公園脇の先を上がると、新開地一丁目の商店街に出ます。しかし、このとおり人の姿がまったくありません。想像していたにぎわいとのあまりの落差です。
  
新開地を一通り歩いてみました。しかし、この象徴的な新開地のゲートの周辺を含め、人の姿はまばら。ポートの場外馬券場があるせいか、交通整理の警備員さんの姿だけが目立ちました。新開地については、今回活動されている方々に取材ができませんでしたので、あくまで見た様子だけのリポートにとどめたいと思います。
.「新関西経済圏」広域連携への視点
新開地を出て、三宮に戻る電車が「阪急電鉄」さんでした。この素敵なデザイン。どうして、神戸は、この素敵な阪急カラーをまちづくりに生かさないのかしら・・・とちょっと思ったんですよね。もし、モザイクとかも、この阪急カラーと一体としてデザインしたら、神戸らしい「エキゾチックな街づくり」ができたでしょうし、神戸海のブルー、空のブルーとのコラボレーションもほかのまちにはないエクセレントなまちにできたのではないのかしらと思ったのでした。
  
30年来の阪神ファンの性で、つい阪神バージョンの自販機を撮ってしまいました。
神戸は人口150万人を超える巨大な都市です。しかし、首都東京の副都心・新都心の渋谷・新宿のような個々の町がそれぞれの戦略を持つのと同じやり方で地方都市を考えることはできません。
神戸には神戸ならではの都市戦略が必要です。まずは、神戸というブランドを地域としてきちんとマネジメントできていないこと。これは神戸にとって大きな損失ではないでしょうか。個々の活動は個々に努力するべきですが、神戸として、どんなまちを目指しているのか。
一つ、神戸の戦略として、ぜひ、検討して頂けたらと思のうが「広域連携」の視点です。
都市再生に限らず、地方再生の課題の一つが、既存の「地域ブロック」を基礎とした旧来の地域再生の考え方が抜けていません。たとえば、神戸は都市再生本部による地域ブロックでいえば、「近畿圏」に位置づけられますが、滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山は確かに社会科の教科書的にいえば、近畿圏ですが、では、この近畿圏というのはどこまで機能しているのかというと、非常に微妙なものがあります。
近畿圏は、道州制議論でいえば、「関西道」に位置づけられています。しかし、行政区割的なゾーニングが、地域再生戦略として有効であるという根拠がどこにあるのか。。。
この六県で、どう共通のビジョンを見出し、連携することによって得られるベネフィットやバリューを見出すことができるのか。「関西」といったとき、もちろん、国内の認識としては、「関西エリア」ねというのはあっても、それ以上のものがどこにあるのか。
そういう行政区割りではない、バイオリージョン(生命地域)としての神戸、そして、神戸を含む生命地域としての地域開発を検討して頂けると、神戸あるいは広域連携の地域に、新たな産業・経済圏を生み出すことができるのではないかと思います。
関連リポート「中小企業の知的生産革命」(in兵庫県中小企業家同友会講演リポート)
中心市街地活性化事業リポート(1)富山市編
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