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2008.2.15 兵庫県中小企業家同友会で
「北欧に学ぶ、高コスト時代を生き抜く、中小企業経営のあり方」について講演しました。
いち早く、知識経済社会へ対応し、高い生産性と競争力を実現しているデンマークに学ぶべきものは何かというテーマに対し、デンマーク・スヴェンボーの「バリューベース経営手法」をご紹介します。
>>>同時リポート 「地域再生リポート〜都市再生(1)兵庫県神戸市編」
市場競争の激化、追い上げるアジア諸国に対抗するには
設問課題
グローバル化の中、激化する市場競争。安い労働力に、生産技術の向上が加わり、経済発展を続けるアジア諸国、BRICSなどに対し、大量生産型のものづくりではもはや対抗できません。国内では、少子高齢・人口減少社会による市場の縮小がいわれています。
しかし、一番の課題は、知識経済社会の到来に対する中小企業経営の対応の遅れです。価値観が変容し、多様化した市場のニーズに対し、中小企業はどう対応していけばいいのか。
この中小企業経営者側から投げかけられた課題に対し、講演でお話させて頂いた内容をポイント整理して、ここで、ご提供したいと思います。
現状の問題点の整理
先日、「もはや経済では一流ではない」と大臣も発言されていましたが、それを裏付けるデータがあります。
日本は経済大国といわれていますが、GDPを国民一人当たりで見ると、デンマークにはるかに劣っています。また、その生産性は非常に低く、長時間働いても生み出す1人当たりの付加価値、国際競争力は以下のとおりです。格差も大きく、幸福度は高くない。これが日本の現状です。
|
デンマーク |
日本 |
| 1人当たりのGDP(06IMF) |
4.8万USドル(6位) |
3.5万USドル(17位)
|
| 年間労働時間(OECD02) |
1,578時間 |
1,842時間(264時間長い) |
| ジニ計数(OECD00) |
1位(格差3倍以内) |
16位 |
| 国際競争力(IMD06) |
5位 |
17位 |
| 国民の幸福度(NEF06) |
1位 |
90位 |
強いEUが推し進める戦略、そこで高い評価を受けたデンマーク、その中でも注目の都市スヴェンボー。そこに学ぶべきものは少なくありません。
強いEUの背景〜「リスボン戦略」
「2010年、世界でもっとも競争力があり、もっともダイナミックな知識経済社会」への転換を目指すEUが政策の最優先課題に掲げる「社会的結束〜共生社会」戦略。それが「リスボン戦略」です。
EU25か国中、最も高い生産性と競争力と評価されたデンマーク
その政策の評価を行う「リスボン戦略レビューの中で、高い評価を得ているのがデンマークです。 >>>持続可能な未来プロジェクト「デンマークスヴェンボー視察情報」
コペンハーゲンビジネススクールで高く評価されたスヴェンボー
デンマーク・スヴェンボー市における「バリューベース」の経営はデンマーク国内でも高い評価を受け、注目されている。 >>>デンマーク・スヴェンボー・リポート(日経グローカル掲載)
中小企業の「生産性」や「競争力」を高めるには
中小企業であっても、というより、中小企業だからこそ、知識経済社会に対応した「付加価値型の企業経営」に変革していかなくてはならないということをクレバーな経営者なら、今みんな思っています。
では、その「付加価値型の企業経営」へ転換をどうしていけばいいのか。そのポイントは3つあります。
1.知識経済社会における「価値」が何かを知る(価値観の転換)
2.「価値」を基礎とした『バリューベース経営』への転換
3.新たな戦略への視点
関連記事 グッド・ニュース・ジャパン掲載記事
企業人、都会人に元気になってほしい-「ロハスビジネス」著者に聞く
ビジネスを生む価値観の転換、ビジョン戦略、バリューベース経営
>>グッド・ニュース・インタビュー記事
知識経済社会における「価値」とは何か
まず、知識経済社会において、最も重要なことは、価値を生み出す「源泉」が確実に変化していることを理解することです。
そういう意味で、北欧・デンマークには、「独自の価値観」を持っています。それは彼らの歴史であり、アイデンティティであり、これを基礎として彼らの発想、思考、行動、またはその様式が出来上がっています。
北欧やデンマークに学び、それをより良く取り入れ、活用していくには、まず、この基礎を知る必要があります。

そういう意味で、彼ら北欧やデンマークの価値観というものが、この21世紀が求める「解」とリンクしてきて、以下の21世紀の知識経済社会における価値観と、非常に近いところにあることに気づきます。

これまでの私たちの社会や経済活動は、経済優先、効率重視で発展を遂げてきました。
しかし、こうした手法が、もう有効でないことはもうみんな分かっています。
そのモデルを、経済優先から、もっと人間や環境を重視した社会や経済活動に転換していくことが、持続可能な社会・経済、国や地域、企業の発展にとって不可欠であると。
すでに消費者側では、そうした志向を持った人が4人に1人となりつつあります。
>>>2/13出版の拙書「ロハスビジネス」(朝日新書)でも20超の事例も入れ紹介しました。
価値を基礎とした「バリューベース経営」への転換
バリューベース経営については、デンマーク・スヴェンボーが取り組んだ三つの先進的な取り組みから、「合意形成」「バリューベース経営」「リーダーの360度評価」について、昨年9/21のデンマーク視察報告会、12/6の日本ワークライフバランス研究会の勉強会などのリポートでも概要ご案内していますので、以下のサイトをご覧頂ければと思いますが、講演では、それを中小企業経営の中でどう生かせるのか、どう生かせばいいのか、そのポイントをお話しました。

・9/21デンマーク・スヴェンボー市視察報告会
・フォローアップ「共生社会」への転換で何を得る
水津陽子のデンマーク・リポート
・生産性と競争力の背景にある組織力、個人力
・企業も地域も再編の時代〜異なる文化の統合
動画で見る 「水津陽子のデンマーク・リポート」
※デンマーク・スヴェンボー「バリューベース経営」メソッドの提供
新たな企業、地域の経営手法の情報は、今後、「ロハスビジネス.JP」でご提供致します。
北欧デンマークの先進的な事業、事例紹介
講演の中では、北欧やデンマーク、スヴェンボーに学ぶべきものとして、健康・福祉・教育・産業振興の各事例を用いて、ポイントをお話しました。
今回は講演時間も1時間、質疑を入れても1時間半弱と短かったため、細部のお話ができませんでした。また、同友会さんが今年6月実際に北欧視察に行かれる前の事前研修としてのご講演依頼でしたので、視察頂く際に予備知識として事前に知っておいて頂くといいと思うポイントについて、たとえば、以下のような例を取り上げて、お話しましたが、個々の事業での北欧ならではの色づかい、デザイン、機能性、メソッド的なものも、実際には非常に参考になります。

 
こうした北欧、デンマーク、また、その中でも先進性のあるスヴェンボーの手法を中小企業も取り入れていくことで、付加価値型で、高収益な企業モデルに転換していくヒントになります。
その可能性を知って頂ければ、地域産業の振興にも役立つはずです。ぜひ、ご活用頂ければ幸いです。
Lohasbusiness.jp ロハスビジネス対談
カラーコーディネーター 滝沢真美×水津陽子
まちづくりの色の使い方、活かし方 >>>対談を見る
参考まで 当日講演レジュメ (概要)
1.課題整理〜現状の問題点を明らかにしよう
2.注目されるスヴェンボーの先進性
3.デンマークを理解する基礎ワード
4.21世紀の新たな価値観
5.バリューベースの経営
バリューの考え方、合意形成、リーダーの360度評価
6.人間工学に基づいた色デザイン・機能性
三原則に基づいた高齢者介護付き住宅、障害者作業所など
7.社会の多様性と能力開発のメソッド、教育システムなどの紹介
8.クリエイティブクラスの大量移住の理由
9.目標達成のための戦略性とネットワークの活用
10.中小企業の知的生産性向上に向けて
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